【2026年最新】要介護認定シミュレーションを74項目セルフチェックで予測する手順

要介護認定シミュレーションを一言で言うと: 厚生労働省の認定調査74項目に沿って自宅でセルフチェックし、要支援1から要介護5までのどの段階に近いかを事前に予測する作業です。 対象者: 申請前に「親や本人がどのくらいの判定になるか」「区分支給限度額がどの程度になるか」の見通しを立てたい家族介護者・本人。 メリット: 認定調査当日の答え方を整え、結果通知前から区分支給限度額の目安と必要な書類を準備できます。

「申請してから結果が出るまでの30日間、何もできずに不安が募る」「調査員の前で本人が普段より元気に振る舞ってしまい、軽く判定されないか心配」――要介護認定は介護保険サービスの入口でありながら、結果が出るまで待ち時間が長く、家族の心構えが立てにくい制度です。

この記事では、厚生労働省が公表する要介護認定等基準時間認定調査の基本調査74項目にもとづいて、自宅でできる要介護認定シミュレーションの手順をまとめました。要支援1から要介護5までの状態像と、各区分で利用できる月額の支給限度額の目安まで一気通貫で解説します。読み終わる頃には、申請前にどの程度の介護負担を想定して書類を準備すればよいかが具体的に見えてきます。

⚠️ 重要な前提: 本記事のシミュレーションは公表情報にもとづく事前予測の目安であり、最終的な要介護度は市区町村の介護認定審査会が一次判定・主治医意見書・特記事項を総合して決定します。判定結果を保証するものではありません。

要介護認定シミュレーションとは — 自宅で予測できる範囲

要介護認定シミュレーションは、厚生労働省が公開している認定調査の項目と判定ロジックの一部を使って、申請前に「自分の親や本人がどの区分に近いか」を予測する作業です。最終判定そのものは市区町村の介護認定審査会が行うため、シミュレーションの位置づけはあくまで事前準備のための目安になります。

要介護認定の判定は、認定調査員による訪問調査(基本調査74項目+特記事項)と主治医意見書の2本立てで行われます。一次判定はコンピュータが約3,500人の高齢者を対象とした「1分間タイムスタディ・データ」から要介護認定等基準時間を推計し、二次判定(介護認定審査会)でその結果を最終確認する仕組みです。

セルフチェックで自宅判定できるのは、この一次判定のうち、本人の身体機能・生活機能・認知機能などの客観的な状態像の部分です。主治医意見書の内容や認知症加算の細かいロジックまでは個人で再現できないため、誤差は最大で1区分前後生じる前提で活用してください。

田中さん(仮名・85歳/要介護見込み3)の例: 軽い脳梗塞で右半身に麻痺が残り、入浴と排せつに毎回介助が必要。週2回のデイサービスを検討するため、申請前に長女がセルフチェックを実施したところ「要介護2〜3」と予測。実際の認定結果も要介護3で、限度額の見当が事前に立った状態でケアプラン作成に入れました。

ポイント

  • 目的: 申請から結果通知までの期間を予測の空白にせず、限度額や費用の準備に充てる
  • 根拠: 介護保険法第7条第1項(要介護状態の定義)、同条第2項(要支援状態の定義)
  • 管轄: 厚生労働省(基準)/市区町村(保険者・最終判定)
  • シミュレーションの精度: 一次判定相当で誤差±1区分が目安

要介護度7段階の状態像と判定基準時間

要介護認定の区分は要支援1・2、要介護1〜5、非該当(自立)の8段階に分かれます。一次判定では、認定調査の結果から「どれくらい介護に時間がかかるか」を要介護認定等基準時間として推計し、その時間に応じて区分が決まります(厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」より)。

要介護認定等基準時間は、本人を24時間介護した場合に必要となる介助時間を5分野(直接生活介助・間接生活介助・BPSD関連行為・機能訓練関連行為・医療関連行為)について推計したものです。実際の介護時間そのものではなく、判定のための共通指標として使われます。

シミュレーションを行う前に、まずこの8段階の状態像と基準時間を頭に入れておくと、自分の親や本人がどのレンジに近いか目星がつけやすくなります。

要介護度別 基準時間と区分支給限度額

区分 要介護認定等基準時間 状態像の目安 区分支給限度額(月額)
非該当(自立) 25分未満 介護サービスは不要
要支援1 25分以上32分未満 日常生活はほぼ自立、家事や通院に一部支援が必要 50,320円
要支援2 32分以上50分未満(安定・認知機能良好) 立ち上がり・歩行に不安あり、要介護化を予防する段階 105,310円
要介護1 32分以上50分未満(不安定または認知症あり) 立ち上がりや歩行が不安定、見守りや一部介助が必要 167,650円
要介護2 50分以上70分未満 排せつや入浴に部分介助、認知症の症状が出始める 197,050円
要介護3 70分以上90分未満 排せつ・入浴に全面介助、認知症で見守りが日常的 270,480円
要介護4 90分以上110分未満 食事・排せつ・移動の多くで全介助、意思疎通に支障 309,380円
要介護5 110分以上 ほぼすべての日常生活動作で全介助、意思疎通が困難 362,170円

※区分支給限度額は2024年度(令和6年度)介護報酬改定後の単位数を1単位10円で換算した目安額です。地域区分により1単位9.50〜11.40円の幅があり、実際の上限額は自治体で異なります。

要支援2と要介護1は基準時間がどちらも「32分以上50分未満」で重なります。両者の振り分けは心身の状態の安定性認知症の有無で決まり、状態が不安定または認知機能の低下がある場合に要介護1へ進む仕組みです。シミュレーションでこのレンジに入った場合は、両方の可能性を想定しておくと安全です。

💡 限度額の試算をその場で行う: 予測した区分・所得段階・自己負担割合を入力すると、月額の自己負担と高額介護サービス費の上限を即時に試算できます。適格条件シミュレーターで限度額を試算する

認定調査74項目セルフチェックの進め方

認定調査の基本調査74項目は6つのカテゴリに分かれており、調査員が本人と家族に約1時間かけてヒアリングする内容です。セルフチェックでは、この74項目を家族が事前に確認し、本人の現状をメモ化することで「調査当日に伝え忘れる」事態を防ぎます。

各カテゴリの項目数と質問の方向性は厚生労働省の「認定調査員テキスト2009 改訂版」で公開されており、合計は20+12+9+15+6+12=74項目です。質問は「できる/できない」「介助なし/一部介助/全介助」のような選択式が中心で、家族が普段の様子を観察していれば回答できる内容になっています。

セルフチェックの所要時間は1時間が目安です。ノートとペンを用意し、項目ごとに本人の現状と頻度を書き留めると、後で調査員に渡す特記事項メモとしても活用できます。

第1群 身体機能・起居動作(20項目)

立ち上がり・寝返り・歩行・立位保持・両足での立位・片足での立位・洗身・つめ切り・視力・聴力・麻痺の有無・関節の動きの制限など、身体の動作が自力でできるかを確認します。

チェックの観点は次の3点です。

  • 動作の前に支えが必要か(壁・手すり・人)
  • 動作中にふらつきや転倒のリスクがあるか
  • 動作後に疲労で休憩が必要か

家族が見落としやすいのは「家の中ではできるが外出時はできない」動作です。買い物・通院・公共交通機関の利用時に苦戦する場面があれば、必ずメモに残してください。

第2群 生活機能(12項目)

移乗・移動・嚥下・食事摂取・排尿・排便・口腔清潔・洗顔・整髪・上衣の着脱・ズボン等の着脱・外出頻度を確認します。日常生活で他者の手を借りる頻度が判定の核になります。

ポイントは「全介助」「一部介助」「見守り等」「介助されていない」の4段階の使い分けです。たとえば「ボタンは自分で留められるが、ファスナーは家族が手伝う」場合は一部介助に該当します。曖昧なケースは家族の介助時間を秒単位でメモすると、調査員が判定しやすくなります。

外出頻度は「週1回以上」「月1〜3回」「月1回未満」が目安です。寝たきり寄りで外出が極端に少ない場合は、社会参加の指標として要介護度を押し上げる要素になります。

第3群 認知機能(9項目)

意思の伝達・毎日の日課を理解・生年月日や年齢を言う・短期記憶・自分の名前を言う・今の季節を理解する・場所の理解・徘徊・外出して戻れないかを確認します。認知症の有無と程度を見るカテゴリです。

「いつもより元気に振る舞ってしまう問題」がもっとも起きやすいのがこの第3群です。本人は「分かっています」と即答する一方、家族には「同じ話を1時間に3回繰り返す」「冷蔵庫に財布を入れる」などの具体エピソードがあるはずです。頻度と直近の出来事を日付付きでメモしておくと、調査員の特記事項に正確に反映されます。

長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)など医療機関の認知機能検査の結果がある場合は、シミュレーション時に手元に置いてください。スコアと項目チェックを照らし合わせると判定の精度が上がります。

第4群 精神・行動障害(15項目)

被害的になる・作話・感情が不安定・昼夜逆転・暴言・暴行・同じ話をする・大声を出す・介護に抵抗する・落ち着きなし・一人で出たがる・収集癖・物や衣類を壊す・ひどい物忘れ・独り言や独り笑い等を確認します。BPSD(認知症の行動・心理症状)が日常にどれだけ現れるかを見るカテゴリです。

このカテゴリの判定は「ない/ときどきある/ある」の3段階です。家族が「そんなにひどくない」と遠慮して低めに答えがちですが、月に1回でもあれば「ときどきある」に該当します。在宅介護の負担に直結する項目なので、最近1か月の出来事を遠慮なく書き出してください。

複数の項目で「ある」が並ぶ場合、認知症加算が上乗せされて要介護度が1区分上がる可能性があります。家族の介護負担を正確に伝えることが、本人にとってのサービス量確保につながります。

第5群 社会生活への適応(6項目)

薬の内服・金銭の管理・日常の意思決定・集団への不適応・買い物・簡単な調理を確認します。自宅での自立した生活がどこまで可能かを見るカテゴリで、要介護1〜2の振り分けに大きく影響します。

判定は「全介助」「一部介助」「見守り等」「介助されていない」の4段階です。たとえば「薬は1週間分のお薬カレンダーに家族がセットし、本人が時間どおりに飲める」場合は一部介助に該当します。

買い物・調理は本人ができていても、家族が献立を考えて食材を準備している段階で「一部介助」になります。実態に近い回答を心がけてください。

第6群 特別な医療(12項目)

過去14日間の点滴の管理・中心静脈栄養・透析・ストーマ処置・酸素療法・レスピレーター・気管切開の処置・疼痛の看護・経管栄養・モニター測定・じょくそうの処置・カテーテルを確認します。医療的ケアの必要度で、訪問看護や医療系サービスの必要性が一気に高まります。

このカテゴリは該当する処置があれば必ず主治医意見書にも記載されるため、家族側で正確に把握しておく必要があります。退院後の在宅療養が始まったばかりの段階では、入院時のサマリーや訪問看護指示書を見直してチェックしてください。

12項目のうち2つ以上に該当する場合は、要介護2以上と判定される可能性が高まります。医療職が関わる介護プランを想定して、訪問看護や訪問診療の事業所も並行して探し始めると無駄がありません。

💡 長文ガイドへ: 認定調査の各項目で「いつもより元気に振る舞ってしまう問題」への対策まで詳しく知りたい方は要介護認定の受け方完全ガイドをご覧ください。

💡 使える制度を仮入力で確認: セルフチェックで予測した区分を入力すると、自己負担額・限度額・併用できる給付制度を即時に一覧化できます。要介護度を仮入力して使える制度を一覧する

シミュレーション結果別 次にやること

セルフチェックで予測した区分ごとに、申請前に取り組むと効果的な準備が変わります。区分が高くなるほど主治医意見書の比重が増え、必要書類のチェック項目も増えていく傾向があります。

ここでは予測区分を3つのレンジに分けて、それぞれの「次の一手」を整理します。区分支給限度額と関連サービスの組み合わせも併記したので、申請前のケアプラン構想にも使えます。

【予測:要支援1〜2】予防給付を使い倒す段階

予測が要支援1〜2のレンジに入った場合、主役は予防給付(介護予防サービス)です。月額50,320円〜105,310円の範囲で、介護予防通所介護や介護予防訪問介護を組み合わせて要介護化を遅らせる時期になります。

申請前にやることは次の3つです。

  • 地域包括支援センターへ電話相談し、生活機能の維持に有効なメニューを確認する
  • 主治医に「要支援見込みで申請する旨」を伝え、意見書記載のポイントを共有する
  • 自宅周辺の介護予防教室・通いの場の情報を市区町村のホームページで確認する

このレンジは自分で歩いて窓口に行ける段階です。逆に言えば申請を先延ばしにしがちな区分でもあるため、家族側からの背中押しが申請のきっかけになります。

【予測:要介護1〜3】区分支給限度額の使い切りを設計する段階

予測が要介護1〜3に入る場合、限度額は月167,650円〜270,480円と一気に増えます。1割負担なら自己負担16,765円〜27,048円の範囲で、訪問介護・デイサービス・福祉用具レンタル等を組み合わせる典型的な在宅介護パターンに移行します。

このレンジでは限度額をどう配分するかでサービスの満足度が大きく変わります。申請前に次の準備をしておくと、認定後すぐにケアプラン会議に進めます。

  • 1週間の介護スケジュールを家族会議で整理(誰が何曜日に介護するか)
  • 訪問介護の希望時間帯(朝の起床介助・夜の就寝介助・夕方の食事介助のどれを優先するか)を仮決め
  • デイサービスの利用希望日数を週1〜3回で仮設定

要介護3になると施設入所の選択肢も視野に入ります。特別養護老人ホームの申込基準は原則要介護3以上のため、在宅介護が難しい状況であれば早めに地域包括支援センターで施設申込の相談を始めてください。

【予測:要介護4〜5】医療と介護の連携が必須になる段階

予測が要介護4〜5の場合、限度額は月309,380円〜362,170円に達し、ほぼ全介助の状態を24時間体制で支える設計が必要です。在宅か施設かの選択も含めて、医療職・介護職・家族の連携設計を申請前から始めます。

このレンジでの申請前準備は次のとおりです。

  • 主治医・かかりつけ医と「在宅医療の継続可否」を相談(往診・訪問診療への切替検討)
  • 訪問看護ステーションを2か所以上ピックアップし、医療保険・介護保険の切替条件を確認
  • 介護休業(最長93日)・介護休暇の取得可否を勤務先の人事担当に事前相談
  • 特別養護老人ホーム・介護医療院・グループホームの待機期間を地域包括で確認

このレンジでは家族の介護負担も限界に近づいているケースが多く、レスパイト(短期入所)の活用が前提になります。申請結果を待つ間にショートステイの空き状況を地域の事業所に問い合わせておくと、認定後の動きが速くなります。

💡 使えるサービスをカテゴリから探す: 在宅サービス・施設サービス・福祉用具・住宅改修など、介護保険で利用できるサービスを目的別に整理しています。予測区分で組み合わせを考えるときに使ってください。介護サービスをカテゴリから探す

シミュレーションでよくある誤解

セルフチェックの結果と実際の認定結果がずれる場合、その多くは判定ロジックの誤解に起因します。家族の主観的な負担感と、判定で使う基準時間は必ずしも一致しません。

ここではシミュレーションでつまずきやすい3つの誤解を整理します。事前に知っておくと、結果通知が予想と異なっても冷静に次のアクションに進めます。

誤解1: 「介護がつらい=重い区分」ではない

家族の介護負担が大きくても、要介護認定等基準時間が短ければ区分は軽くなります。たとえば本人が頻回にトイレに行きたがる場合、家族の心身の疲労は大きい一方で、1回あたりの介助時間は短いため基準時間に乗りにくい構造があります。

このギャップを埋めるのが特記事項メモです。第4群(精神・行動障害)のチェック項目に該当する症状があれば、頻度と直近の具体例を必ず記録してください。BPSDが認定されると認知症加算で1区分上がる可能性があります。

誤解2: 「主治医意見書に書かれていれば全部反映される」ではない

主治医意見書は二次判定(介護認定審査会)で参照される重要書類ですが、書かれた内容が自動的に判定に反映されるわけではありません。認定調査の結果と矛盾しない範囲で参考情報として扱われます。

主治医意見書と認定調査の整合性を取るには、調査前に主治医にも「家族が認定調査でどんな点を伝えるか」を共有しておくと効果的です。普段の診察で見えない自宅での様子を主治医が把握できれば、意見書の記載が具体的になります。

誤解3: 「予測どおりの区分が出る」ではない

セルフチェックの精度は一次判定相当までで、二次判定で1区分前後動くケースは珍しくありません。介護認定審査会には保健・医療・福祉の専門家5人前後が参加し、特記事項と主治医意見書を見て一次判定を見直します。

予測と結果がずれた場合は、次の選択肢を冷静に検討してください。

  • 結果通知から60日以内であれば、都道府県の介護保険審査会に審査請求ができる(介護保険法第183条)
  • 状態が変化した場合は、有効期間内でも区分変更申請を市区町村に提出できる
  • 次回の更新時期に合わせて、認定調査の伝え方をブラッシュアップする

要介護認定シミュレーションに関するよくある質問

要介護認定シミュレーションに関する質問は以下の5つです。

  • 自治体の公式シミュレーションはあるか
  • 親が「自分は元気だ」と言って協力してくれない場合
  • シミュレーションした内容を調査当日に活かす方法
  • 申請前に主治医を変更しても良いか
  • シミュレーション結果と実際の認定がずれた場合の対応

質問に対する回答を確認して、申請から結果通知までの空白期間を有効活用する参考にしてください。

Q: 自治体の公式シミュレーションサービスはありますか?

A: 市区町村が個別に公式シミュレーターを提供している例は限定的です。厚生労働省も自己診断ツールは公開していません。本記事のセルフチェックは、厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」と認定調査員テキスト2009改訂版にもとづく目安として活用してください。最終判定は介護認定審査会が決定します。

Q: 本人が「自分は元気だ」と言って協力してくれません。どうすれば?

A: 本人を説得するよりも、家族が普段の様子を時系列でメモすることから始めてください。「先週○曜日に転倒」「3か月前と比べて○○ができなくなった」のような具体的な変化が、調査員の特記事項に活きます。本人不在でも家族だけで第1〜6群の項目を回答できる範囲が多く、申請時に「家族からの困りごと」として地域包括に相談すれば、調査当日も家族同席で進められます。

Q: シミュレーションした内容を、調査当日にどう活かせばよいですか?

A: シミュレーションで作成したメモをA4用紙1枚に要約し、調査員に「特記事項として加えてほしい点」として渡してください。調査員は基本調査の選択肢にチェックを入れるだけでなく、特記事項に補足を記録します。家族が用意した具体的な日付・頻度・エピソードがあると、二次判定で重く参照されます。

Q: 申請前に主治医を変更しても問題ないですか?

A: 主治医意見書は普段の状態をよく知る医師が書くことが望ましいため、長く通っているかかりつけ医に依頼するのが基本です。直近で転院した場合や、認知症の専門医に変更した場合でも、市区町村は本人が指定した医師に意見書を依頼します。複数の主治医がいる場合は、もっとも本人の状態を把握している医師を申請書に記載してください。

Q: シミュレーション結果と実際の認定がずれたら、どう対応すれば?

A: 想定より軽い区分が出た場合は、結果通知から60日以内に都道府県の介護保険審査会へ審査請求できます(介護保険法第183条)。状態が変化した場合は有効期間内でも区分変更申請が可能です。想定より重い区分が出た場合は、ケアマネジャーに早めに相談し、限度額を有効活用するケアプランに切り替えてください。

まとめ

要介護認定シミュレーションは、申請から結果通知までの30日前後を事前準備の時間に変えるための作業です。要介護認定等基準時間と認定調査74項目の2軸でセルフチェックすれば、要支援1から要介護5までのどのレンジに本人が位置するか、目安をつかめます。

予測ができたら、その区分の区分支給限度額を念頭に1週間の介護スケジュールを家族会議で組み立ててみましょう。今日できる最初の一歩は、家族で本人の現状を時系列メモにまとめ、地域包括支援センターに電話相談の予約を入れることです。

もう一つ忘れてはならないのが自宅環境の整備です。要介護1〜2のレンジでも、手すり設置や段差解消で生活機能の維持効果が大きく変わります。住宅改修費の支給(上限20万円)は要介護認定後に申請しますが、改修箇所の検討は申請前から始められます。

一人で判断に迷う場合は、地域包括支援センターに電話1本が最短ルートです。シミュレーション結果のメモを手元に置き、「親の状況と予測区分について相談したい」と伝えれば、ケアマネジャーや保健師が具体的なアドバイスをくれます。世帯区分・要介護度・所得を入力すれば、使える制度と限度額を即座に一覧表示できます。適格条件シミュレーターで使える制度を30秒で診断する

この記事は2026年4月時点の情報です。 制度の内容は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省の公式サイトまたはお住まいの市区町村の介護保険課にお問い合わせください。本記事のシミュレーションは目安であり、最終判定は介護認定審査会が行います。

監修・執筆体制 本記事は社内専門ライター(介護福祉士/FP)が執筆し、外部監修者の調達後に正式監修記名へ差し替えます。

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