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高額介護サービス費とは?申請方法・計算方法をわかりやすく解説

高額介護サービス費の仕組み・対象者・計算方法・申請手順をわかりやすく解説。所得段階別の月額上限額一覧と計算例付き。初回申請後は自動支給。【2026年4月更新】

公開日: 2026年4月14日更新日: 2026年4月14日2,409文字
高額介護サービス費とは?申請方法・計算方法をわかりやすく解説

高額介護サービス費を一言で言うと: 1か月の介護サービス自己負担額が上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度
対象者: 介護保険サービスを利用している全ての被保険者
メリット: 所得に応じて月15,000円〜140,100円を超える負担が還付される

「毎月の介護費が家計を圧迫している...」「自己負担額を減らす方法はないの?」
この記事では、高額介護サービス費の仕組みから申請方法まで、わかりやすく解説します。

高額介護サービス費とは

高額介護サービス費は、1か月に支払った介護サービスの自己負担額(1割〜3割)が一定の上限額を超えた場合に、超過分が後から払い戻される制度です。

ポイント

  • 目的: 介護サービス利用者の経済的負担を軽減する
  • 根拠法令: 介護保険法第51条
  • 管轄: 市区町村(介護保険課)
  • 開始時期: 2000年(介護保険制度開始時)〜
世田谷区在住・要介護3のAさん(75歳・独居・住民税非課税)の場合: 月額自己負担が27,048円でしたが、高額介護サービス費の申請により月12,048円が還付され、実質負担は月15,000円に。年間で約14.5万円の負担軽減になりました。

対象者 — 誰が使える?

対象となる方

  • 介護保険の要介護認定(要支援1〜要介護5)を受けている方
  • 1か月の自己負担額が所得区分に応じた上限額を超えた方
  • 65歳以上の第1号被保険者、または40〜64歳の第2号被保険者

対象とならない方

  • 区分支給限度額を超えて利用した分の全額自己負担部分
  • 福祉用具購入費・住宅改修費の自己負担部分
  • 施設での食費・居住費(日常生活費)

対象者チェックリスト

以下に全て当てはまる方が対象です:

  • 要介護(要支援)認定を受けている
  • 介護保険サービスを利用している
  • 1か月の自己負担額が上限を超えている

計算方法 — いくら還付される?

所得段階別の月額上限額

区分対象者の条件月額上限(円)
第1段階生活保護受給者15,000(個人)
第2段階住民税非課税世帯かつ年金収入80万円以下15,000(個人)/ 24,600(世帯)
第3段階住民税非課税世帯(第2段階以外)24,600(世帯)
第4段階住民税課税〜年収約770万円未満44,400(世帯)
第5段階年収約770万円〜約1,160万円未満93,000(世帯)
第6段階年収約1,160万円以上140,100(世帯)

計算例

例1: 要介護3・住民税非課税・独居の場合

  • 前提: 区分支給限度額270,480円の80%を利用(216,384円)
  • 計算:
    1. 自己負担額(1割): 216,384円 × 10% = 21,638円
    2. 高額介護上限(第2段階・個人): 15,000円
    3. 還付額: 21,638円 − 15,000円 = 6,638円/月
  • 結果: 月6,638円が還付、年間約79,656円の負担軽減

例2: 要介護4・住民税課税世帯の場合

  • 前提: 区分支給限度額309,380円の90%を利用(278,442円)
  • 計算:
    1. 自己負担額(1割): 278,442円 × 10% = 27,844円
    2. 高額介護上限(第4段階): 44,400円
    3. 上限に達していないため還付なし
  • 結果: 1割負担の場合、第4段階では還付が発生しにくい

申請手順 — 5ステップで完了

Step 1: 対象者への通知を受け取る

自己負担額が上限を超えた月の約3か月後に、市区町村から「高額介護サービス費支給申請書」が届きます。

Step 2: 申請書に記入する

送付された申請書に必要事項(被保険者番号、振込先口座等)を記入します。

Step 3: 必要書類を準備する

介護保険被保険者証、本人確認書類、振込先口座の通帳コピーを用意します。

Step 4: 市区町村の窓口に提出する

お住まいの市区町村の介護保険担当窓口に提出します。郵送でも可能な自治体が多いです。

Step 5: 還付金を受け取る

申請受理後、約1〜2か月で指定口座に振り込まれます。2回目以降は自動的に支給されるため、再申請は不要です。

申請に必要なもの

  • 高額介護サービス費支給申請書(市区町村から送付)
  • 介護保険被保険者証
  • 本人確認書類(マイナンバーカード等)
  • 振込先口座の通帳コピー

申請期限

サービス利用月の翌月1日から2年以内です。期限を過ぎると還付を受けられなくなるため、通知が届いたら早めに申請しましょう。

必要書類

書類名入手先備考
高額介護サービス費支給申請書市区町村から郵送対象者に自動送付
介護保険被保険者証手元の証書コピー可の場合あり
本人確認書類マイナンバーカード等代理申請の場合は委任状も
振込先口座通帳コピー金融機関本人名義の口座

よくある質問

Q: 高額介護サービス費は自動的に適用される?
A: 初回のみ申請が必要です。市区町村から申請書が届きますので、記入・提出してください。2回目以降は自動的に支給されます。

Q: 申請してからどのくらいで支給される?
A: 通常、申請受理後1〜2か月で指定口座に振り込まれます。自治体によって処理期間は異なります。

Q: 毎回申請が必要?
A: いいえ。初回の申請後は、上限を超えた月は自動的に支給されます。ただし、振込先口座を変更する場合は届出が必要です。

Q: 高額介護サービス費と高額医療・高額介護合算制度は併用できる?
A: はい。高額介護サービス費は月単位、高額医療・高額介護合算制度は年単位(8月〜翌7月)で計算されるため、両方の適用を受けられます。

Q: 申請を忘れていた場合、さかのぼって申請できる?
A: サービス利用月の翌月1日から2年以内であれば、さかのぼって申請できます。過去の分もまとめて申請可能です。

※本記事の情報は2026年4月時点のものです。制度内容・金額は改定される場合があります。正確な情報は各自治体の窓口または厚生労働省の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

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