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介護保険の住宅改修とは?上限20万円の活用方法を完全ガイド

介護保険の住宅改修費の仕組み・対象工事6種類・申請手順をわかりやすく解説。上限20万円で手すり設置・段差解消・トイレ改修が可能。事前申請が必須。【2026年4月更新】

公開日: 2026年4月14日更新日: 2026年4月14日2,079文字
介護保険の住宅改修とは?上限20万円の活用方法を完全ガイド

住宅改修費を一言で言うと: 要介護者の自宅をバリアフリー化する工事費用の7〜9割を介護保険が負担する制度
対象者: 要支援1〜要介護5の認定を受けた在宅の方
メリット: 上限20万円の工事費のうち最大18万円が支給される

「親の家に手すりをつけたいけど費用が心配...」「トイレの改修に介護保険は使えるの?」
この記事では、介護保険の住宅改修費の仕組みから申請の流れまで、具体例を交えて解説します。

介護保険の住宅改修費とは

住宅改修費は、要介護(要支援)認定を受けた方が、自宅で安全に生活するために行うバリアフリー工事の費用を、介護保険から支給する制度です。

ポイント

  • 目的: 在宅での自立した生活を支援し、転倒・事故を予防する
  • 根拠法令: 介護保険法第45条(居宅介護住宅改修費)
  • 管轄: 市区町村(介護保険課)
  • 支給限度額: 1人あたり20万円(生涯を通じて)
練馬区在住・要介護2のBさん(80歳)の場合: 浴室に手すりを設置(5万円)、玄関の段差解消(8万円)、トイレの洋式化(7万円)の計20万円の工事を実施。1割負担のため自己負担はわずか2万円で、残り18万円は介護保険から支給されました。

対象となる工事 — 6種類の改修

介護保険で認められる住宅改修は以下の6種類です:

1. 手すりの取付け

廊下・トイレ・浴室・玄関などへの手すり設置。転倒防止に最も効果的で、利用者の約7割が申請する改修です。

2. 段差の解消

居室・廊下・トイレ・浴室・玄関の段差解消。スロープの設置や敷居の撤去が含まれます。

3. 滑り防止・移動円滑化のための床材変更

浴室の床を滑りにくい素材に変更、畳からフローリングへの変更など。

4. 引き戸等への扉の取替え

開き戸から引き戸やアコーディオンカーテンへの変更。車いすでの移動を容易にします。

5. 洋式便器等への便器の取替え

和式トイレから洋式トイレへの交換。立ち座りの負担を大幅に軽減します。

6. その他上記に付帯して必要な工事

手すり取付けのための壁の下地補強、便器交換に伴う給排水設備の工事など。

計算方法 — いくら支給される?

基本の計算式

支給額 = 工事費(上限20万円)×(10割 − 自己負担割合)

負担割合工事費20万円の場合の支給額自己負担額
1割負担18万円2万円
2割負担16万円4万円
3割負担14万円6万円

リセットされる2つのケース

  1. 要介護度が3段階以上上がった場合: 再度20万円まで利用可能
  2. 転居した場合: 新しい住居で再度20万円まで利用可能

申請手順 — 事前申請が必須!

重要: 工事前に必ず事前申請が必要です。工事後の申請は認められません。

Step 1: ケアマネジャーに相談する

担当のケアマネジャーに住宅改修の希望を伝え、「住宅改修が必要な理由書」の作成を依頼します。

Step 2: 施工業者を選定し見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取得することをお勧めします。介護保険に精通した業者を選びましょう。

Step 3: 事前申請を行う

市区町村の窓口に以下の書類を提出し、承認を受けます。

Step 4: 工事を実施する

事前申請の承認後に工事を開始します。改修前後の写真撮影が必須です。

Step 5: 事後申請・支給を受ける

工事完了後、領収書・写真等を提出。審査後に支給されます(償還払い方式が一般的)。

申請に必要なもの(事前)

  • 住宅改修費支給申請書
  • 住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー作成)
  • 工事費見積書
  • 改修前の写真(日付入り)
  • 住宅の図面(改修箇所を明記)

必要書類

書類名入手先備考
住宅改修費支給申請書市区町村窓口・HP事前・事後の2回提出
住宅改修が必要な理由書ケアマネジャー作成改修の必要性を記載
工事費見積書施工業者改修内容の内訳明記
改修前後の写真施工業者が撮影日付入り必須
住宅の所有者承諾書市区町村窓口賃貸住宅の場合のみ

よくある質問

Q: 住宅改修費は自動的に適用される?
A: いいえ。工事前の事前申請が必須です。事前申請なしに工事を行うと、全額自己負担になります。

Q: 20万円を超える工事はできる?
A: 工事自体は可能ですが、20万円を超える部分は全額自己負担となります。20万円以内に収まるよう工事内容を調整するか、自治体の独自補助を確認しましょう。

Q: 20万円を複数回に分けて使える?
A: はい。一度に20万円を使い切る必要はありません。例えば、今回手すり設置に5万円、翌年段差解消に10万円、と分割利用が可能です。

Q: 賃貸住宅でも改修できる?
A: 家主の承諾があれば可能です。「住宅の所有者承諾書」を事前申請時に添付してください。

Q: 申請を忘れていた場合、さかのぼって申請できる?
A: 事前申請が原則のため、工事後の申請は認められません。必ず工事前に申請してください。

※本記事の情報は2026年4月時点のものです。制度内容・金額は改定される場合があります。正確な情報は各自治体の窓口または厚生労働省の公式サイトでご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、法的助言ではありません。

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