訪問看護とは?医療保険と介護保険の違い・利用方法
訪問看護のサービス内容・医療保険と介護保険の違いを解説。
訪問看護は、看護師や准看護師、理学療法士などの専門職が利用者の自宅を訪問し、健康管理や医療処置、リハビリテーションなどを行うサービスです。医療保険と介護保険の両方で利用できる点が大きな特徴であり、在宅療養を支える重要な役割を担っています。本記事では、訪問看護の概要から費用、利用手順、訪問介護との違いまで詳しく解説します。
訪問看護サービスの概要
訪問看護とは、主治医が作成する「訪問看護指示書」に基づき、看護師等が利用者の自宅を定期的に訪問して看護ケアを提供するサービスです。具体的なサービス内容は以下の通りです。
- 健康状態の観察・管理:バイタルサインの測定、病状の観察、服薬管理など
- 医療処置:点滴、注射、カテーテル管理、褥瘡(床ずれ)の処置、人工呼吸器の管理など
- リハビリテーション:理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による機能訓練
- 療養上の世話:入浴介助、清拭、排泄ケアなど
- ターミナルケア(終末期ケア):在宅での看取りに向けた支援
- 家族への指導・相談:介護方法の指導、精神的サポートなど
訪問看護ステーションは全国に約13,000か所以上あり、地域の在宅医療を支える基盤として重要な存在です。1回の訪問時間は30分〜1時間30分程度が一般的で、週に1〜3回の利用が標準的です。
対象者と利用条件
訪問看護は、年齢や疾患の状態によって利用する保険制度が異なります。
介護保険で利用する場合
- 65歳以上で要介護認定(要支援1〜要介護5)を受けた方
- 40〜64歳で特定疾病により要介護認定を受けた方
介護保険の区分支給限度額の範囲内で利用します。限度額は要支援1で月額50,320円、要支援2で105,310円、要介護1で167,650円、要介護2で197,050円、要介護3で270,480円、要介護4で309,380円、要介護5で362,170円です。
医療保険で利用する場合
- 40歳未満の方(年齢制限なし)
- 要介護認定を受けていない方
- 厚生労働大臣が定める疾病等(末期がん、難病、人工呼吸器装着者など)に該当する方
- 急性増悪等で特別訪問看護指示書が出された方(14日間限定)
医療保険の場合は、原則として週3回までの利用となりますが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は回数制限がありません。
費用の目安(医療保険 vs 介護保険)
訪問看護の費用は、利用する保険制度によって計算方法が異なります。
介護保険利用の場合
| 訪問時間 | 単位数(目安) | 自己負担(1割) |
|---|---|---|
| 20分未満 | 313単位 | 約313円 |
| 30分未満 | 470単位 | 約470円 |
| 30分以上60分未満 | 821単位 | 約821円 |
| 60分以上90分未満 | 1,125単位 | 約1,125円 |
自己負担割合は所得に応じて1割・2割・3割のいずれかです。高額介護サービス費制度により、月額の自己負担上限は15,000円〜140,100円に設定されています。
医療保険利用の場合
医療保険の場合、訪問看護基本療養費として1回あたり約5,550円(週3回まで)が基本となります。自己負担割合は年齢や所得に応じて1割〜3割です。70歳以上の一般所得者は1割負担となります。また、難病等の公費負担医療の対象となる場合は、自己負担がさらに軽減されることがあります。
訪問看護の利用手順
訪問看護を利用するまでの流れは以下の通りです。
介護保険で利用する場合の手順
- 要介護認定の申請:お住まいの市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに申請します
- 認定調査・審査:訪問調査と主治医意見書に基づき、介護認定審査会で要介護度が決定されます
- ケアプランの作成:ケアマネジャーが訪問看護を含むケアプランを作成します
- 主治医の訪問看護指示書:主治医から訪問看護ステーションへ指示書が交付されます
- 訪問看護ステーションとの契約:サービス内容や利用回数を確認し、契約を締結します
- サービス開始:看護師等が定期的に自宅を訪問し、ケアを提供します
医療保険で利用する場合の手順
- 主治医への相談:かかりつけ医に訪問看護の必要性を相談します
- 訪問看護指示書の交付:主治医が訪問看護ステーションへ指示書を発行します
- 訪問看護ステーションとの契約:サービス内容を確認し、契約します
- サービス開始:指示書に基づき、看護師等が訪問します
訪問看護と訪問介護の違い
訪問看護と訪問介護は名前が似ていますが、サービス内容や提供者が大きく異なります。
| 項目 | 訪問看護 | 訪問介護 |
|---|---|---|
| 提供者 | 看護師、准看護師、理学療法士等 | 介護福祉士、ホームヘルパー等 |
| 主なサービス | 医療処置、健康管理、リハビリ | 身体介護、生活援助 |
| 指示書 | 主治医の訪問看護指示書が必要 | ケアプランに基づく |
| 利用保険 | 医療保険または介護保険 | 介護保険のみ |
| 医療行為 | 可能(点滴、注射、褥瘡処置等) | 不可 |
訪問介護は主に食事・入浴・排泄の介助や掃除・洗濯などの生活支援を行うのに対し、訪問看護は医療的なケアが中心です。両方のサービスを組み合わせて利用することも可能です。
よくある質問
Q: 訪問看護は毎日利用できますか?
A: 介護保険の場合はケアプランに基づき柔軟に設定できます。医療保険の場合は原則週3回までですが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合や特別訪問看護指示書が出された場合は毎日利用可能です。
Q: 訪問看護と通院を併用できますか?
A: はい、併用可能です。ただし、同一日に同一の医療機関への通院と訪問看護を受けることはできない場合があります。
Q: 夜間や休日も対応してもらえますか?
A: 24時間対応体制の訪問看護ステーションであれば、夜間・休日の緊急時にも電話相談や緊急訪問が可能です。24時間対応体制加算として追加費用がかかります。
Q: 訪問看護の利用をやめたい場合はどうすればよいですか?
A: 訪問看護ステーションに連絡し、契約を解除することで利用を終了できます。ケアマネジャーにも相談してケアプランを見直しましょう。
※本記事の情報は2026年4月時点の制度に基づいています。自治体や事業所により詳細が異なる場合がありますので、最新情報は各市区町村の介護保険課または地域包括支援センターにご確認ください。費用は目安であり、地域加算等により変動します。本記事は情報提供を目的としており、個別の医療・介護に関する判断は必ず主治医やケアマネジャー等の専門家にご相談ください。